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friends are strangers

音楽とベースと酒と所沢

鉄塔

f:id:taichi0703:20150301094414j:plainまじで誰にも言ってない事を今日は書いてみよう。

何を隠そう僕は鉄塔が好きである。鉄塔フェチなのである。鉄塔?と思う方がいると思うが、写真でわかるようにあの町中や畑の真ん中にぽっこんぽっこん生えている送電線を張る為のあいつである。記憶が定かではないけれど、僕と鉄塔との出会いは幼い頃、おそらく物心つくかつかないかの時代まで遡る。僕が両親と住んでいたのは団地の4階で、高い建物も少ない街なので遠くまで見下ろす事ができた。うっすら覚えているのは、台所の食器棚のガラスに映っていた外の風景。そこに薄ぼんやりと鉄塔が映っていた。幼い僕は母に尋ねる。

「ママン、あれはなんだね」

「あれはね、鉄塔といって凄く強い電気が流れているの。だから近寄って触ったり昇ったりしたらだめよ〜?」

ななな、なんだと!?あれに強力な電流が!?なんて恐ろしいんだ、きっとあれに触ったらバリバリバリー!!と電気が僕の体に流れて、僕は死んでしまうんや。

鉄塔=でかくて高い=触ったら死ぬ=怖い

もちろん電気が流れているのは送電線なので、あの鉄塔に触ったら死ぬ訳ではないのだけれど、僕にとってあのデッカい鉄の塔はその瞬間から畏怖の対象になった。おまけにあの高い高い鉄塔と鉄塔をつなぐ線の上をたまに人が歩いているではないか!(点検の人)忍者か!?なんであの人は死なないんだ!?特殊な訓練でも受けたのか!?ますます謎は深まり恐怖心は高まっていった。

 

しかしただ怖いわけではない。なぜ怖いものに魅力を感じるのかだ。

鉄塔は不思議だ。木より高い。マンションより高い。何より高く、ただそこに「ある 」。木々は四季が移り変わるたびに表情を変えいてくのだけれど、あいつはずーーーっと一年中そこに何も変わらず突っ立っている。街も変わる。住む人も変わる。だけど僕があの鉄塔を意識した子供の頃から、何も変わらずそこに立っている。それはさながらその土地を遠い昔から見守っているかのようにだ。

となりのトトロで、さつきとメイが引っ越してきた家の隣に立つ大きな大きな木。その土地の守り神で、トトロの住処。僕にとって鉄塔とはそんな存在なのだ。あの鉄だけで組み上げられた中身スカスカの姿も、枯れて朽ちてしまった大きな木のように見える。その姿は昔から変わらない故に、なんだか物悲しい。

これは僕だけかもしれないが、子供の頃に知らない道に迷い込んでしまった時、よく鉄塔を目印に歩いていた。

「あ、あそこ確か酒屋の前の鉄塔だ。んじゃあそこに向かって歩いてみっか」

ってな具合である。ちなみにこれは今でもよく使う。

幼い頃に植え付けられた畏怖の心は僕の中に未だ生きているが、そうやってたまに僕を守ってくれる。鉄塔は今でも僕には怖くて、遠くて、悲しくて、優しい存在なのだ。

自転車で実家に帰るとき、沢山の鉄塔を目にする。数キロの道のり。畑の多い街だ。見渡せば畑か、雑木林か、住宅しかない本当に退屈で何も無い街だ。でもそこにも多くの人が住んでいて、喜び悲しみ沢山の物語が生きている。そんな人たちを鉄塔は見ている。足下では子供達が遊んでいる。僕もそうだった。今日も明日も変わらず鉄塔はそこに立っている。ふと見上げる鉄塔に、そんな思いを馳せずにいられないのだ。 

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晴れた日に見る鉄塔も、雲りの日に見る鉄塔も、好きだな〜!

 

Owen - The Sad Waltzes Of Pietro Crespi - YouTube

 

僕の中で世界で一番優しいギターを弾く人。