friends are strangers

音楽とベースと酒と所沢

怪談話ウソホント

大学卒業した頃だろうか。ライブの帰り終電を逃して乗り込んだタクシー。無言なのも気まずいので、「やっぱタクシーの運転手してると幽霊とかそういう怖いことにあったりするんですか?」と我ながら若さと酔いにまかせ随分突っ込んだ質問を運転手に投げかけたことがある。

 

タクシー運転手「ふふふ、お客さん、これはね、仲間から聞いた話なんですが、、、ある女性を乗せたらしいんですよ。それで目的地を指定しないでそこ曲がってくれ、そこ進んでくれといちいち言ってくるらしいんですね そしてあるとこまで行ったときに、このまま進むと崖に落ちるということに気づいた私の仲間が『お客さんこれ以上進むと落ちちゃいますよ!』と客席を振り返ると、、、なんとそこには誰もいない。そしてどこからともなく声がしたそうなんですよ、、。落ちれば良かったのに、、。ってね、、。」

 

この野郎、、、よりによってベッタベタの怪談を俺様に話してくるとはいい度胸じゃねえか。

 

僕「ははは、怖いですね〜」

タクシー運転手「でしょお?これは私の仲間から聞いた本当の話なんですよ〜」

おじさん、それは有名な怪談だよ、、。

オカルトマニアの僕が一番許せないもの。それはどっかで見たり聞いたりした話をさも実話のように話してくる輩である。いや、自分から聞いといて何て性格悪いんだと思われるかもしれないが、僕は怪談オカルトマニアである。僕の為にとっておきの怖い話を話してくれた運ちゃんには申し訳ないが、マニアは怪談にうるさく心が狭いのだ。とは言っても怪談というのは作り話がほとんどである。そんなもの聞けば大体わかる。嘘くさい話とか幽霊なんていないとかじゃなくて、怪談にはその時代その時代のトレンドが必ずあって、それに合った話が乱立するからだ。

というわけで、今回は怪談マニアとして、その話が嘘の話の可能性が高い場合のポイントを解説していきたいと思う。

 

  1. 綺麗なオチに気をつけろ。

物語には必ず起承転結がある。怪談も例外ではなくて、心霊スポットor各安アパート等に行く→お化け登場→その場所で昔悲しい事故があった。というような黄金パターンが存在する。実際そんな怖い体験したとしてそこらへんで起きた事故や事件調べるような奴が何人いるだろうか。またその話を根底から覆す大どんでん返しスタイルにも気をつけよう。ユージュアルサスペクツstyleである。物語として聞けば面白いけど、実話と捉えられるかはこの場合かなり微妙である。 -50点

 

 2.流行のお化けスタイルに気をつけろ。

僕が子供のころの怪談といえば、大体血だらけの顔か青白い顔のお化けが定番であった。レッドorブルーである。それが一変したのが映画『リング』。世界中を恐怖のどん底にたたき落とした貞子以降、怪談話に出てくるお化けはほぼ「白い服を着て髪が長く顔が見えないほど前髪も垂らした女」に統一された。江戸時代の頃の古典的な幽霊に近いからイメージの原点回帰という点では興味深いとは思う。そしてしばらくして新たに生まれたのが「顔が青白く、目は空洞のように真っ黒なお化け」である。これはまだ研究不足でモチーフが分からないのだけど、ネットにおけるブラクラなどによく使われる。確かにこれは精神的にクルものがあって結構不気味である。少し前だと「体をマリオネットのようにむちゃくちゃに動かしながら近づくお化け」とか「背が異様に高く首だけ捻り曲がった女」などの『身体不自然系』が多かったと思う。とにかくこういった流行のお化けが出てくる怪談は要注意である。そんなトレンドに乗っただけのお化け野郎はぶっ飛ばせ! -60点

 

 3.何かを知ってる田舎の祖父母、唐突に現れるお坊さん神主に気をつけろ。 

怪談の中盤、怖い目にあった主人公。それを救う存在が登場する。代表例が上の二つ。何かの呪いをといてしまった主人公に「このバカたれが!あそこに行ってしまったんか!」と叱り飛ばし、「あいつに魅入られてしもうたら、しまいじゃ。」とか言いながらもその呪いを解く方法までしっている祖父母。神主かお坊さんが出て来たらもう安心。なぜなら彼らは除霊のスペシャリストだ!「もう安心だ。ただし今晩誰に声をかけられても返事をしてはダメだぞ!」最後は主人公まかせである。 というわけでこんな人たちが出て来たら要注意。おじいちゃんおばあちゃん=何でも知ってるお坊さんや神主=除霊のスペシャリスト、という方程式はいささか乱暴である。これはコトリバコやリョウメンスクナなどの地方伝承物以降、特に増えた定番スタイル。もう古いぞ!  -70点

 

 4.フェイントを使うお化けに気をつけろ。

たまに怪談のなかで登場するのがフェイント使いのお化け。あそこの曲がり角が怪しい、、絶対あやしい、、バッと見てみる。誰もいない。ふう安心。くるっと振り返ると目の前にドーーーーーン!!!こんな感じ。ベジータVS悟空かよ。「な!後ろか!!?」じゃねえよ。これはホラー映画やサスペンス映画でしょっちゅう使われる手法なので気をつけよう。古くはなんだ?サイコか?こんな定番のネタは使い古されている。これは呪いのビデオシリーズでもよく見られる。遠くにいると思ったらいきなり目の前に!系である。お化け界では驚かせ方教室でもあるんだろうか。フェイントはまず一番最初に習うことなんだろうな、きっと。 -40点

 

 

おおまかに書くとこんな感じになる。まだまだ沢山あるんだけど書くのが面倒くさくなってきたのでこれでおしまい。前回のオカルト論で「僕にとってその話が本当の話かどうかは問題じゃない 」とか書いたくせにどういうことやねんと言われるかもしれないが、ウソ臭い話はやっぱつまらんのである。何度も言うが僕はお化け幽霊を信じていないわけじゃない。信じたいと思っているからこそこういう「つまらない嘘怪談」が世に蔓延していることに辟易しているのだ。

怪談は時代と共に進化する。妖怪、都市伝説、ネット怪談、色々あってその時は面白いのだけれど、気づけば飽きられ新しいブームに移り変わる。結局は実話が一番怖いのだけれど、それが本当の話かどうか分からないときだってある。

ある大きな病院に勤める女の子に「病院って怖い話とか幽霊とか、そういうのある?」と聞いた事がある。その子とは怪談話なんてしたことないし、どちらかというとそういう話は大嫌いなタイプの子である。彼女はこう言っていた

 

「ああ〜、そういうのはしょっちゅうあるよ。普通にある。でも一番怖いのは生きてる人間だよ〜。同僚とか上司の女の人とかまじ怖いよ〜、もう仕事行きたくない!」

 

だそうです。

いちえふを読んで思う

 

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

 

 

前から話題になってた漫画「いちえふ」を読んだ。震災後、筆者が実際に福島第一原発の作業員ハローワークを通して志願し、紆余曲折を経てようやく働き始め、そこでみた福島第一原発の実態、作業員達の日常が赤裸々に書かれた漫画。こう表現するのはどうかと思うけど、素直に「面白かった」と思える一冊だった。なにが面白かったというと、今では世界で最も危険な場所の一つとなってしまった福島第一原発だが、そこで働く人々がとても生き生きと描かれていることだ。福島第一原発と聞くとつい「地獄のような所」で、そこで除染作業をしている人たちは「英雄」のように連想しがちだけど、実際の現場では安全管理のもと作業をしながらも、仲間と笑い合ったり愚痴を言ったり、飯を食ったり、たまにパチンコにいったり酒を飲んだり。当たり前だけど皆がそこで働き生きている姿が書かれていた。非常に危険なのは事実なのだろうけど、福島第一原発で働くということへの見方が少し変わった。

原発について反対だ賛成だと僕は軽々しく言う事が出来ない。僕の親戚にも原発の影響で生まれ育った福島県浪江町を離れることになってしまい、慣れない街で亡くなってしまった人が二人いる。僕が震災が起こる前年の夏に訪れた波江町の請戸漁港では、津波により100名以上の人が亡くなった。きっとあの時、海だ〜とはしゃぐ僕の横で作業していたおばちゃんおじちゃん達の中にも、沢山亡くなった人がいたのだろう。そして僕の義理の父も浪江町出身で、懐かしい故郷の田舎町に自由に帰る事が出来なくなってしまった。そういう人を目の当たりにし僕は原発について語る事は出来ない。間接的に関わっただけなのにそんなことを言っている僕はただ逃げてるだけの弱い奴なんだろう。でもこの「いちえふ」に描かれている地元の方々や、現場で働く人、そしていつか地元に帰って花を植えたいと言っていた僕の義理の父は立場は違えど戦っている。逃げずに真っ正面から。

震災から四年たち、今改めてこの作品を通して福島の現状を知れた。いまも被災地で戦う人たちの姿を作者の目で見た事実に基づき描いた、素晴らしい作品だと思います。

 

 

オカルト論

 

僕はオカルトが大好きだ。お化け、妖怪、怪談、UMAオーパーツ古代文明などなどそれにまつわる物全てが好きだ。何がどう好きなのかと言われるとなかなか説明できない。「説明〜しろと言われましてもっ♪」と思わずラッスンゴレラってしまうくらい自分というものの一部になってしまっている。あえて言うとすればオカルトは「浪漫 」である。お化け幽霊妖怪いろいろな本は子供の頃から読みあさっているし、心霊スポットも大学生の頃は毎年行った。洒落怖などのネット怪談や都市伝説も端から読んでいる。そう、ただ単に大好きなのだ。今日はそんなオカルトマニアの男の話。

 

どういうきっかけで好きになったのかは覚えていないのだけど、おそらく小さい頃買ってもらった「ゲゲゲの鬼太郎妖怪大辞典」がきっかけとなっている。そこに書いている妖怪達の生き生きとした(?)姿に非常に興奮した。テレビをつければ夏の定番「おもいっきりテレビ〜あなたの知らない世界〜」にはじまる様々な怪奇特集。図書館には映画化もされている名シリーズ「学校の怪談」。漫画を開けば「地獄先生ぬ〜べ〜」など様々な所に僕を魅了するオカルトが存在した。

かといって幽霊や色々なものを信じているのかと言われれば、そういうわけでもない。「絶対いる!」って意見ではなくて、「いないって思うよりいるって考えた方が世の中面白いんじゃねーの?」って考え方だ。これは僕のオカルト哲学だが、「絶対そんなもの存在しない!」って思ったら世の中の「不思議」だったり「面白い」の可能性をつぶしてしまうと思うのだ。全ては疑問や好奇心から始まり、生まれる。それを「あるわけないじゃん」で終わらせてしまうのは寂しい。

一人のオカルトマニアから言わせてもらうと、最近の心霊番組、特に「ビデオ映像」に頼りきった番組は絶対に認めたくない。あきらかな作り物なのは一目瞭然だし、出てくる幽霊は大体貞子のパクリ。「お分かりいただけただろうか系」と僕は呼んでいるが、ああいったものは人に想像力を失わせる。どこに幽霊がいて何が怖いかを一から十まで説明してくるのだ。結局怪談や幽霊ものの何が怖いかっていうのは、「想像させる力」が怖いのだ。いつも住んでいる部屋、その襖の隙間に何かいるかもしれない。あの真っ暗闇にお化けがいるかもしれない。風呂で髪を洗っている時うしろに誰かいるかもしれない。そういう想像力をかきたてるものが真のオカルトだと思う。これは怪談だけじゃない。映画、音楽、ゲーム、漫画などエンターテイメント全てに共通する問題だと思う。いちいち台詞や歌詞の内容でクドクドと全て説明し、人に作品の真意、深みを想像させないような作品は好きじゃない。映画「リング」の何が怖いかって、貞子じゃない。あの呪いのビデオや作品全体から伝わる「説明不足感」「 違和感」からくる恐怖だと思う。その説明不足から人は想像し恐怖する。だから「リング」は怖い。説明不足の中にも誰の家にもあったビデオデッキとテレビという日常に非日常のエッセンスを加える事で。

結局「わかりやすさ 」に重きを置きすぎると、想像力を奪った結果の恐怖のイメージの単一化を生む。その悪しき集大成が「恐怖映像」だと思う。まぁそこから生まれるカウンターカルチャーの様な新しい怪談がネットで流行り(コトリバコや八尺様などの伝承系 )、新鮮な刺激が生まれたのは確かだけど。

話はそれたけど、そういった意味で稲川淳二大先生を始めとした人たちから語られる怪談には普遍的な魅力がある。言葉だけで人に恐怖、ストーリー、空気感を想像させる。イメージは人によって千差万別。解釈も変わってくる。落語なんかに近いんでないかな? そしてただ怖いだけでなく、時に切なく、悲しく、暖かい気持ちになる。

僕は何年か前に稲川淳二のライブに行ったが、そこにあったのはただの恐怖では無かった。終始アットホームな雰囲気。お盆休みに近所の子供達が地元のおじさんの所に集まり、怖い話を聞かせてくれる。そんな感じだった。稲川淳二は言っていた

「怪談っていいですよ。怖い話は沢山ある。でもそこには必ず人の悲しい死があって、伝えたい想いがある。そして死があるから生があって、ドラマがある。毎年皆さんにお話させていただくこの季節、そんなことを感じさせてくれるんですよ。」

気づけば僕らは

「じゅんじ〜〜!!大好きだ〜〜!!」

と大声で叫んでいた(まじで)。帰り道は暖かい気持ちでいっぱいだった。皆さんも是非一度足を運んでみてほしい。

 

多分これ以上書くときりがないので、二つだけ僕が好きな怪談を貼っておく。そんなに怖い話じゃないので、良かったら聞いてみてほしい。

 

 

  • 27分15秒〜 置屋の宴/ファンキー中村


不安奇異夜話 ファンキー中村怪談語り2 - YouTube

ファンキーさんのこの話は大好きだ。作中に出てくる「きつねつり」というワードが大好きで、いつか自分の作った音楽の曲名にしたいくらいだ。怖い話というより、情緒溢れ、当時の時代背景や人々の思い、色々なことを想像させてくれる名作だと思う。

 

  • 1時間9分5秒〜 ある千手観音にまつわる話/美棒


【ほんとにあった怖い話】怪談心霊話 【美棒】まとめ①【恐怖の3時間】 - YouTube

上のファンキー中村さんの怪談仲間の美棒さんの話。ある千手観音を巡り偶然二つの話が交わっていく大スペクタクル。あまり怖い語り口じゃないんだけど、これは割と中盤怖い。驚かせようとかビビらせようというわけでなくて、淡々とただ事実を語られるかのような恐怖。そして後半は少し悲しい。亡くなった人への供養の大切さなんかを感じさせてくれる。

 

 

結局のところ、その怖い話が本当にあったことかどうかというのは僕には大事なわけではなくて、単にエンターテイメントの一つとして捉えているんだと思う。そこにある恐怖のドラマの中毒性に魅かれているんだな。僕の友人知人にも恐怖体験をした人がいるが、それはまた別の機会に書いてみようと思う。

日曜日の過ごし方

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当たり前だけど日曜日が好きだ。ここ数ヶ月あまり天気のいい日曜日が無かったのだけれど、今日は本当に暖かくいい日曜日だった。少しずつ春が近づいて来ていることに、冬大嫌いの僕はウキウキしている。

 

最高の日曜日の過ごし方って何だろう。毎週毎週貴重な休日をどう過ごすか悩んでいる。そうだな、どこかに出かけるのもいいけれど、やっぱり僕は家にいたい。

朝八時過ぎくらいに起きて、遅めの朝食を食べる。和風がいいなあ。もちろん味噌汁付き。具は僕が好きなタマネギが入っていてほしい。あとは納豆。ほぼ毎日食べているけれど、納豆と味付け海苔。それに奮発して焼き鮭もつけてほしい。食事を終えたら、まずは布団を干そう。うちはベッドでなく敷き布団なので、それを干して布団たたきでホコリやダニを落としてお天道様の光を思い切り浴びさせるのだ。それから部屋の掃除。平日はなかなか億劫で散らかりがちな部屋を、しっかり片付ける。その後はシャワーを浴びたい。部屋に戻ったら音楽を流してみよう。何がいいかなあ。大滝詠一の「A LONG VACATION」か「EACH TIME」がいいな。

少しスマホをいじったら昼食の準備。たっぷりの野菜炒めを乗せたサッポロ一番みそラーメンがいい。サッポロ一番は「これぞインスタントラーメンだ!」って味がして好きなのだ。野菜炒めラーメンはよく母ちゃんが作ってくれた。そして少し昼寝しようかね。一時間くらい。二時間寝ると夜なかなか眠れなくなってしまうから少し眠る。起きたらベースを練習しよう。指がなまらないためにいつも弾いてる曲を弾いて、あとは適当に弾きながらテレビでも見よう。そしたら布団を取り込んで、妻と一緒に近くのスーパーに夕飯の買い出しだ。途中道の横に咲いている梅の花が綺麗だから少し足を止める。まだ空は明るい。今日は気分がいいから発泡酒じゃなくてビール。もちろんアサヒスーパードライ。アイスも買おう。チョコがサクサクするモナカアイス。

帰って夕飯の支度をしてもらっている間、しばしネットサーフィン。youtube見てるとウルサいって怒られるので、来月小遣いで買いたいCDのリストを作成しよう。テレビはつけたまんま。笑点が流れている。

サザエさんが始まる頃、夕飯の支度が終わる。それまでにシャワーを浴び終えた僕は冷蔵庫から冷えたビールを取り出して、ゴクリと一口。美味い!美味すぎるぞ!さっき買ったお買い得の切り落としの刺身と、梅と大葉を乗せごま油を垂らした冷や奴。作ってもらった菜の花のおひたしをつまみにビールはどんどん進む。今日はもう一本いっちゃおうかね。しかしサザエさんの堀川くん、、、マジキチだなあ、、。

夕食を終えたら借りてきていたDVDを見る。お酒はビールから焼酎の水割りに切り替えて、飲み過ぎないようにチビチビ飲もう。また明日から一週間が始まる。歯を磨いて寝間着に着替えたら、11時前に布団に入ろう。干したばかりの布団は暖かくて気持ちがいい。

おやすみなさい

 


folio [proof] 2010-0228 - YouTube

この曲の入ってたスプリットよく聞いてたなあ。最高!

よく聞いてたハードコアアルバム第一弾

大学生になったばかりの頃、仲良くなった先輩に「お前は絶対ハードコアにはまるから聞け」と言われた。え〜?ハードコアってあのぎゃーぎゃー喚くジャンルでしょ?絶対はまらないわ〜、と思っていたが数ヶ月後見事にどっぷりハマっていた。当時killieとかheaven in her armsとかの活躍でアングラ界のハードコアの盛り上がりっぷりは凄まじくて、僕も例に漏れずそんなバンドを追っかけ回すミーハーハードコアボーイだった。当時渋谷にあったsome of usというマニアックなレコード屋を紹介してもらい大学帰りによく通った。あとkillieの吉武さんが運営しているoto recordsのdistroを始めとした多くのディストロを利用して色々漁っていた。最近はあまり聞かなくなってしまったけど、今回は当時よく聞いていたハードコアのアルバムを書いてみようと思う。カオティックとか、激情とか、ニュースクールオールドスクール色々あるけど、よく聞いていた激系中心にとりあえず絞って書いて行きます。今回は第一弾。

 

 all our tomorrows ends today / ampere

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Ampere-Woodlawn - YouTube

orchidのギタリストが所属しているUSハードコアバンド。激情のド定番ですな。CDがむっちゃ小さい。昔のシングルサイズ。そしてとにかく曲が短い。一分から二分くらい。アルバム全体で11分とかだった気がする。一分なのに色々な要素が詰まっていて凝っている。killieが日本にla quieteと一緒に呼んでツアーしてたなあ。見に行ったけど、ベースがむちゃくちゃかっこ良かった。リッケンバッカー使ってた記憶がある。

 

 il n`y a pas d`orchestre / raein

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Raein - Tigersuit (With Lyrics) - YouTube

イタリアの激情バンド。これも定番中の定番。すごく日本人好みの音してると思う。特にギターのキラキラ具合が半端ない。どうやってこんな音出してるんだろう。ギターは何使ってるんだ、、?疾走感有り、シンガロング有り。多分一番聞いた海外のハードコアバンドだと思う。la quieteも好きだけど、やっぱ最初に出会ったraeinに思い入れが強い。

 

 st / black line fever

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Black Line Fever - Friends and strangers.mp4 - YouTube

killieの吉武さんやcoholの至さん、カナダ人とオーストラリア人による五人バンド。多分人生で一番聞いたアルバムだと思う。このブログタイトルにもしてる「friends are strangers」は僕が宇宙で一番かっこいい曲だと思っている。この映像の曲。音悪過ぎて良さが全く伝わらないけど、今でもよく聞く一枚。

 

 quiet, pull the strings / suis la lune

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Suis La Lune - Fingers Voice Heart Shake Shake ...

このアルバムも聞きまくってたなー。スウェーデンスクリーモバンド(死語?)のファースト?なのかな?全体的にあまりギターが歪んでなくて、綺麗なアルペジオの絡みがとても良い。ハードコアの持つ「美しさと狂気」を見事に表してると思う。当時かっこ良すぎるから早く解散しねーかなーと思ってた。 

  

demo + live recordings / city of caterpiller

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City of Caterpillar --A Heart Filled Reaction to ...

一番最初にはまった激情バンドだと思う。 買ったのはoto recordsだっけかなあ。Level planeから出している一枚だと思う。この動画の冒頭のベースが印象的で、よく弾いてたの覚えている。

 

grope sex  /   circle jerks

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Circle Jerks - Operation - YouTube

これは激情じゃないですね。所謂ハードコアパンクの名盤。最低なタイトルだな、、笑 ハードコアパンクも色々聞いてたんだけど、black flagとかbad brainsとかはちょっと僕にはやかましくて、でもcircle jerksのこのスッカスカな感じが一番しっくり来てよく聞いてた。あ、でもgang greenとかslap shot、negative approchとかは好き。全28曲あって、14曲目からアルバムの最初に戻るだけっていう頭悪い感じも好きだった。

 

split /  shokei. kids explode

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Kids Explode - 2 Hour Flight - YouTube

前にブログ記事に一度あげたkids explodeとshokeiのスプリット。shokeiもかっこいいんだけど、とにかくこのkids explodeが格好良過ぎてバイト仲間のキャブス国光としょっちゅう聞いていた。Gang of four何かに通じるこの踊れる感じ。レーベルメイトにfalcon five、pete the pirats squidなんかがいて、その四バンドでスプリットまで出していた。ハマった。とにかくハマったバンド。

 

 

とまあ、とりあえず今回はこんな感じで。

他にも沢山あるんだけど、その中でも特に聞いていたものだけ紹介させていただきました。まあ、大半が超有名なアルバムだからこの手のジャンル好きな人にとっては今更だとは思いますが。

良かったら聞いてみてくださいね。

 

 

 

終わらない反抗期

今日も鼻をすすりながら慣れないgaragebandをいじったりしている。傍らには愛用しているフェンダージャズベと、兄のお下がりのレスポールカスタムショップ(epiphone製)が置いてある。改めて楽器を眺めて思うのは、よくもまあこの年になっても音楽やってるものだなあ。誰かに評価されたわけでもない。誰かの為でもない。ただ好きなだけで自分で曲作ったりベースをバンドで弾いたりしてるのだから。

先日スタジオに行くと高校生の集団がロビーにたむろしていた。ただギターを弾くだけで楽しい年頃だ。男女混じり合いながら「こんどのライブは東京事変やってみようよ!」って話す姿は輝いて見え、むしろ眩しすぎる。僕の周りも学生の頃は音楽やってるやつなんてゴマンといた。プロを目指しているやつ、本職の部活と掛け持ちしながら楽しくやっているやつ。軽音楽部には100人以上の部員がいたもんだ。大学になり、音楽を続けている奴は10分の1に減って、また一人また一人と辞めていった。続けている奴はプロになった奴もいれば、僕のように地味に続けている奴もいる。

「まだ音楽やってるんだね〜」とよく言われるが、ただ過去にすがっているだけなのか、諦められない何かがあるのか、本当に好きだから続けているだけなのか、たまに分からなくなる。音楽を辞めて新しい生活、楽しみを見いだす友人達に劣等感を感じているのか、優越感を感じているのか、どっちなのかも分からない。

 

 

初めてライブハウスに行ったのは高校一年生の頃。場所は渋谷のclub asiaだった。僕はまだベースを弾き始める前の事だから多分高一の夏だったと思う。

中学生の友人Y。当時僕とYは、Yの兄が元々やっていたバンドの大ファンだった。東洋大学の軽音楽部で結成されたそのバンドは、ピープルという名前で、ジャンルは何だろう、パンク、メタル、ファンクにジャズ。色々なジャンルが入り混じったバンド。Yの兄が抜けた後も活動を続けていて、ライブハウスでコツコツと活動をしていた。

とにかく初めて夢中になったバンドで、Yの家にあるデモ音源やスタジオで録音したと思われるテープ、ライブが収録されたMDを擦り切れるまで聞いていた。バンドのホームページのBBSに初めて書き込みをした瞬間の緊張。今も覚えている。どこの誰かもわからない高校生の書き込みを快く受け入れてくれ、「ライブに遊びに来てね!」と行ってもらえた。憧れて憧れて一年。ついに初ライブ。高校生にとってなけなしの三千円を握りしめて初めて訪れた渋谷。そしてライブハウス。メンバーが入場してくる姿。演奏する姿。全て今でも思い出せる。あんなに憧れたピープルというバンドのメンバー達が今目の前にいる!!この時の興奮は、後にフジロックで初めてレッチリを目の前で見た時を超えていたと思う。

 

ライブ終演後、「BBSで書き込みさせてもらった○○(ハンドルネーム)です!!」と話しかけた時、「おお!!○○かあ!よーし一緒に打ち上げにいこう!!」と行ってもらえた。皆はビール。僕はジュースを飲みながら終電まで沢山話した。

彼らはあくまで当時はアマチュアバンド。それでも僕にとってはずっとずっと憧れたスーパーヒーローだった。そんな人と直接話せた興奮は、今も忘れられない。

それからほどなくして、ピープルは解散。その後の消息はさっぱりわからない。音楽を辞めたとも、続けているメンバーがいるとも聞いている。僕の10歳は上だったから、メンバーはもう40前か。僕はベースの方に教えてもらったレッチリとsuicidal tendenciesを聞き始め、ベースを始めた。今も続けている。CDも作った。ライブも沢山やった。結婚だってした。

木原さん、三宅さん、奥田さん、野瀬さん。「おれ、皆さんに影響されてバンドはじめて、今もやってるんですよ!」って言いたい。もう覚えていないと思うけど、いつかまた会えるといいな。

 

きっとあの感動があったから僕はまだバンドをやっている。もちろんそれが全てではないし、その後に覚えた人前で自分を表現するということの快感があったからだろう。でも他人にはわからない16歳の少年にとっての小さな大事件は、間違いなく僕の人生に影響を与えてくれたと思う。

ふと思い出す原体験。そんな話を今日は書いてみた。

 

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実家にまだまだデモがあるけど、僕の宝物です。

 

 

ナザール君

何を隠そう(誰に)僕はひどい鼻炎持ちである。

ハウスダスト、ネコ、花粉もろもろに対して強烈なアレルギー反応を起こす。どれくらいひどいかというと、鼻に詰めたティッシュが一分でびっちょりになる。普通に横になっているだけでも鼻水が出る。最終的にはブリッジみたいな体制で頭を逆さまにしないと鼻水はどんどん垂れてくる。そのうち喉がぐるぐる言い出し軽い喘息みたいな状態になり、頭痛までしてくる。常人が一年間で出す鼻水を僕は半日で出せる自信がある。全国鼻水の量選手権があったらかなり上位に組み込める自信がある。

鼻水、、、この言葉だけでマヌケである。涙は時に美しい。「涙を流す女」ってだけでストーリーが生まれそうだが、鼻水は365日24時間一瞬たりともそんな瞬間はない。「鼻水が垂れている女」なんてどんな美女でも台無しである。

僕と鼻水の縁は深い。少年時代気づけば鼻水を垂らしていた。小学校でも常にポケットは鼻水をかんだティッシュでパンパン。それを学校の教室に捨てると皆にバカにされそうで、こっそり休み時間トイレに行ってティッシュを捨てていた。鼻が詰って常に息苦しい毎日。でもそんな僕に革命が起こる。

点鼻薬との出会いである。

 

【第2類医薬品】ナザール「スプレー」(ポンプ) 30mL

【第2類医薬品】ナザール「スプレー」(ポンプ) 30mL

 

 

これはびっくりした。今までずーーーっと詰まっていた鼻が、すーーっと通るじゃああーりませんか。おい!誰だよ!こんな便利なもん発明したやつ!褒美をやる!

おかげで僕の鼻炎の悩みは四割くらいは解決されたのだが、この点鼻薬がないと生活できなくなってしまった。別に鼻炎がひどくない時でもバックかポケットにこの薬が入っていないと落ち着かないのだ。おかげで常に三本はストックしている状態。完全なジャンキーである。なんでも世の中には点鼻薬中毒と呼ばれる症状に苦しむ人がいるというが、僕ももしかしたらその一人かもしれない。

 

なんでこんな鼻水のことでブログを書いているかといえば、昨日今日とスギ花粉が本気を出し過ぎて僕は完全にノックダウン状態にあるからである。そう、要は辛いのである。ただの辛いアピールなのである。

このブログ開設以来もっとも意味の無い記事になってしまった。まあ今までの記事に意味があったとは思えないけど。

皆さん、花粉症の人には優しくしてください。

 


Kids Explode - 2 Hour Flight - YouTube

 

shokeiとのスプリット最高だったなー。